み冬尽く

冬の時期を表す『三冬』。その長く暗い冬が終わることを意味する言葉『みふゆつく』。もう間もなく訪れる春を心待ちにする喜びの中で、微かに残っている冬をじっと見つめている様子。日常は美しいもので溢れている。光や音、空気、その瞬間を留めておきたいと、あがいてみる。白く滑らかで美しい和紙もそうだ。それ以上の美しさを求め、慎重に刃を入れる。それは、冬があける緊張感と春を期待する高揚感に似ている。

創造の刻 ミウラートヴィレッジ(松山市)
 約W2000×H1700mm

写真:泉 功太

紡ぎ唄

納屋に残された足踏みミシン、乳母車、糸車。紡いだ糸が何重にも織り合わさって様々な形を生み出していくように、人々もまたかけがえのない日々を紡いできたのだと思いを馳せます。紡がれた文字は、まんのう町の子守唄を切り取りました。

かがわ・山なみ芸術祭2019 MANNO 綾歌郡まんのう町 中通集落 納屋
約W1200×H900mm (蝶) 約W150×H4000mm (文字)6列


写真:幡正樹(縦全体、ミシン部分)

塩江大蛇-shionoe orochi -

塩江町史のなかにある大蛇を退治した別子八郎の民話を基に構成しました。大蛇と八郎が戦った跡は、現在も地名となって残っています。

かがわ・山なみ芸術祭2019 SHIONOE  高松市塩江美術館 
 W5000×H2000mm (蛇) W150×H1500mm (文字)9列

 
写真:宮脇慎太郎

霧の子供たち

宮脇慎太郎写真展の「写真集 霧の子供たち」出版記念写真展のクロージングイベント。徳島の天空の集落・祖谷の風景と人間を記録した写真。人類人類学者 今福龍太氏が寄せた言葉を切りました。 ー明日を生きる者よ、このすべてを受け継ぎなさい
霧の風景は そう私たちに告げる。私たちは、光を求めてゆく 霧の子供なのであるー

灸まん美術館ギャラリー
善通寺 2019. 8. 20  W20×H1200mm 6列


音楽 :渡邊和三郎、さっこ、YOMS   踊り:三木優希 
会場装飾:長谷川隆子  ミニトーク:宮脇慎太郎×稲盛将彦

ミズハノメ

綾川町は山間に流れる川が美しく、静けさの中に力強い水の音が響いています。川上神社は水の神(水速売命-ミヅハノメ)を祀っており、水を大切にしてきた人々の暮らし、命の循環をテーマにしました。

かがわ・山なみ芸術祭2018AYAGAWA  monohouse 旧そぎしょ小学校
W2200×H1600mm(蝶)


写真:大河内 妙(全体、影)

霞雲

専念寺は、俳人小林一茶が滞在した寺として知られています。 ー元日や さらに旅宿と 思ほえず ー 元日の明け方、一茶は吐く息を白くし、きっと空を見上げたでしょう。雲に霞がかかり、新しい年を静かに迎えたのではないでしょうか。一茶の句碑から模写した文字を中心に構成しました。

瀬戸内国際芸術祭公式プログラム よるしるべ2016  専念寺  1200×900mm


写真:薄谷司郎

海幸

一昔前まで観音寺市内には伊吹島から取れた海産物やいりこの倉庫が連ねていました。  タイトルは、古事記の浦島太郎伝説の海幸彦(ホデリノミコト)から由来。巨大な蝶には、寛永通宝や、波、松。イワシの群れ、貝、エビなどの様々な観音寺の海のモチーフが隠れています。 有明浜を撮影した映像が蝶に映し出され、浜の匂い、懐かしいイメージを呼び起こすような展示になりました。

瀬戸内国際芸術祭公式プログラム   よるしるべ2016  山地蒲鉾倉庫   3500×2000mm

映像提供:OMOCHI  写真: 薄谷司郎